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隣のステラ

8.22 Fri

福本莉子 八木勇征

倉悠貴 横田真悠 西垣匠 田鍋梨々花 清水美砂 宮崎吐夢 紺野まひる 野波麻帆 浜野謙太

原作:餡蜜『隣のステラ』(講談社「別冊フレンド」連載)
監督:松本花奈 脚本:川滿佐和子 音楽:王舟
主題歌:FANTASTICS from EXILE TRIBE「いつも隣で」(rhythm zone)
製作:矢延隆生 市川南 角田真敏 プロデューサー:岡田翔太 谷鹿夏希
撮影:岩渕隆斗 照明:小松慎吉 録音:原川慎平

美術:後藤レイコ 装飾:丸山瞳 衣裳:宮本茉莉 ヘアメイク:谷口里奈 記録:加賀見佳子

編集:スナディ翔子 選曲:千田耕平 音響効果:井上奈津子 VFXスーパーバイザー:藤原芽生

助監督:山下久義 制作担当:竹井 政章 キャスティング:菊地寧音

製作:フジテレビジョン 講談社 東宝 制作プロダクション:オフィスクレッシェンド 配給:東宝

©餡蜜/講談社 ©2025 映画「隣のステラ」製作委員会

  • 本作品はHELLO! MOVIE方式による音声ガイド・日本語字幕に対応しています

INTRODUCTIONイントロダクション

ときめいて切なくて、この夏1番眩しい青春ラブストーリー!

原作は幼なじみでありながらも“芸能人と一般人”というもどかしい関係となってしまった2人の“近くて遠い恋”が描かれる、講談社「別冊フレンド」で現在連載中の大人気漫画『隣のステラ』(講談社/餡蜜著)。
幼なじみに片想いするフツーの女子高生:天野千明を、数々の人気作で存在感を放つ若手実力派俳優・福本莉子が、今をときめく若手俳優としてスターへの道を走り出した千明の幼なじみ:柊木昴を、日本を代表するダンス&ボーカルグループのFANTASTICSのボーカルで、俳優としての活躍も目覚ましい八木勇征が演じます。さらに倉悠貴、横田真悠、西垣匠、田鍋梨々花ら個性豊かでフレッシュな魅力あふれる俳優陣が集結。そして監督は、10代で長編監督デビューし、若き才能を多彩な作品で発揮、躍進を続ける松本花奈監督(『明け方の若者たち』、「推しの子」)が務めます。主題歌にはFANTASTICSの「いつも隣で」が決定。エモーショナルなメロディーが作品を彩ります。

STORYストーリー

隣同士の家に住む幼なじみの千明と昴。一番の仲良しだった2人だが、昴がスカウトされ、若手モデル&俳優として一躍注目を集める存在に。幼い頃からずっと昴に片想いしていた千明は、人気芸能人とフツーの女子高生という関係を気にして自分の気持ちを隠していたが、想いが溢れとうとう告白する。しかし昴からは「幼なじみとしてしか…見てない」と言われ玉砕。あくまで幼なじみとして昴を応援していくと決意するものの、好きな気持ちは簡単には吹っ切れなくて…
“近くて遠い”昴へ、思いを秘めた千明の恋物語。
その行方はー?

CASTキャスト

  • 天野あまの千明ちあき

    福本莉子

    ごく普通の高校2年生
    昴の幼なじみ兼お世話係

    プロフィール

    2016年開催の第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリ、集英社(Seventeen)賞を併せて受賞し、芸能界デビューを果たす。2018年5月に『のみとり侍』でスクリーンデビュー、「コンフィデンスマンJP」でテレビドラマ初出演、6月上演の舞台ミュージカル『魔女の宅急便』で初舞台でありながらも初主演を務めた。『思い、思われ、ふり、ふられ』(2020)では、中心人物の一人としてカルテット主演を務め、これが映画初主演となり、翌年2021年公開の『しあわせのマスカット』で映画単独初主演を飾った。ヒロインを演じた『今夜、世界からこの恋が消えても』(2022)は韓国で公開された邦画実写作品において歴代2位の観客動員を記録。同作で第46回日本アカデミー賞新人賞を受賞。近年だけでも主な出演作品に映画『ディア・ファミリー』(2024)、『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』(2025)、『劇場版トリリオンゲーム』(2025)、主演を務めた『お嬢と番犬くん』(2025)がある。

  • 柊木ひいらぎ すばる

    八木勇征

    高校2年生今をときめく
    若手俳優兼モデル寝起きが悪い

    プロフィール

    2017年、約3万人が参加した「VOCAL BATTLE AUDITION 5~夢を持った若者達へ~」に合格しボーカルとして加入。2018年12月5日、「OVER DRIVE」でメジャーデビュー。2021年に初めてダブル主演を務めたドラマ「美しい彼」で本格的に俳優活動をスタートすると、「ソウルドラマアワード」で2022年、2023年の2年連続アジアスター賞を受賞。2年連続受賞は大会始まって以来の快挙となった。主な出演作は、『イチケイのカラス』(2023)、「美しい彼」シリーズ(2021、2023)、「ホスト相続しちゃいました」(2023)、「18/40~ふたりなら夢も恋も~」(2023)、『矢野くんの普通の日々』(2024)、「南くんが恋人!?」(2024)、『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』(2025)など。また、「ViVi国宝級イケメンランキング2023年下半期」、「ViVi国宝級イケメンランキング2024年上半期」でNOW部門1位を獲得。連覇達成により殿堂入りに。アーティスト活動のみならず、活動の場を広げている。

  • 近藤こんどうはるな

    田鍋梨々花

    千明の悩み相談にいつも乗ってくれる親友
    ギャルだが意外と千明と気が合っている

    プロフィール

    2016年「ミスセブンティーン2016」でグランプリを受賞。『Seventeen』専属モデルとして活動をスタート。俳優としては、ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON』への出演が話題に。近年の出演作に、ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」「マイストロベリーフィルム」「殺した夫が帰ってきました」など。映画では『逃走中 THE MOVIE』に出演。

  • 高橋たかはし雄大ゆうだい

    倉 悠貴

    千明のバイト先の先輩どこかゆるーい
    雰囲気もあるが
    昴と付き合っても
    出来ないようなことを気軽に
    叶えてくれる
    千明の事をどう思っているかは不明

    プロフィール

    2019年にドラマ「トレース〜科捜研の男〜」で俳優としてデビュー。2020年『夏、至るころ』で映画初出演ながら主演を務め、2021年連続テレビ小説「おちょやん」で朝ドラ初出演を果たす。近年は『赤羽骨子のボディガード』(2024年)、『傲慢と善良』(2024年)、『六人の噓つきな大学生』(2024年)、「SHOGUN 将軍」(2024年)、「アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班〜」(2025年)、「ガンニバル シーズン2」(2025年)など数々の話題作に出演。

  • 篠原しのはら 葉月はづき

    横田真悠

    今をときめく若手人気女優
    京都生まれで
    ゆるふわなちょっとあざとい女の子
    葉月の
    相手役に昴が大抜擢されてしまうが、、?

    プロフィール

    「Seventeen2014」のグランプリに選ばれモデルデビュー。現在は「non-no」の専属モデルとして活躍。「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(19年)で連続ドラマデビューを果たし女優としても活躍。「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)の出川ガール、「ラヴィット!」(TBS) 木曜レギュラーなどバラエティ番組、CM、ショー等、活躍の場を広げている。

  • 新堂しんどう理生りお

    西垣 匠

    新作ドラマで葉月を取り合う昴のライバル役
    子役出身で可愛い系男子。

    プロフィール

    2021年にドラマ「夢中さ、きみに。」で俳優デビュー。そのほかドラマ「ドラゴン桜」(2021年)、「消えた初恋」(2021年)、「みなと商事コインランドリー」(2022年、2023年)、「顔に泥を塗る」(2024年)、「海に眠るダイヤモンド」(2024年)、「春になったら」(2024年)、「財閥復讐〜兄嫁になった元嫁へ〜」(2025年)、「正直不動産ミネルヴァSPECIAL」(2025年)、「アポロの歌」(2025年)、「続・続・最後から二番目の恋」(2025年)、映画『六人の嘘つきな大学生』(2024年)など数々のドラマや映画作品に出演している。

  • LINK

COMMENTSコメント

キャストコメント

  • 天野あまの千明ちあき 役 / 福本莉子

    天野千明を演じます福本莉子です。 千明は明るくてしっかり者な女の子ですが、昴の前だと素直になれなくて意地を張っちゃうところがとても可愛らしいなと思いました。

    八木さん演じる昴との掛け合いもとても楽しみです。
    近くて遠い2人の恋の行方を楽しみに待っていてください。

  • 柊木ひいらぎ すばる 役 / 八木勇征

    柊木昴を演じさせていただきます、八木勇征です。 餡蜜先生のことは『高嶺の蘭さん』から存じ上げていて、『隣のステラ』ももちろん読んでいました。 先生が創りあげる世界に関わらせていただけることに心が躍ります! 原作ファンの皆様にも楽しんでいただけるよう、不器用なところも人間味があって愛らしい昴に真摯に向き合いたいと思います。

    同い年の松本監督をはじめとして、キャスト&スタッフの皆さんに同世代の方々が多いと聞いています。 力を合わせて、この作品でしか出せない魅力を精一杯作れるよう精進していきたいと思います!

  • 高橋たかはし雄大ゆうだい 役 / 倉悠貴

    僕自身、こんなにもキラキラした眩しい作品は初めてで不安がありましたが、松本花奈監督の丁寧な演出や、エネルギッシュなスタッフ、キャストに助けてもらい演じることができました。
    餡蜜先生も見守ってくださり、原作をリスペクトし精一杯努めさせていただきました。
    どうか宜しくお願いします。

  • 篠原しのはら 葉月はづき 役 / 横田真悠

    私が演じた葉月は少しあざといような役なので、昴のことを狙っているような立ち振る舞いとか、その塩梅が難しかったのですが、松本監督に的確にわかりやすくご説明をいただいて、とても演じやすかったです。 
    原作から離れず、でも映画のオリジナル要素もあって、本当にこんな恋愛したかったなと思う作品になっていると思います。キュンキュンするポイントもあったりするので、そういうところを楽しんでもらえたら嬉しいです。

  • 新堂しんどう理生りお 役 / 西垣匠

    原作は俳優のお仕事をさせていただく前にも読んでいて、この作品へ携わることが決まってからも改めて読みました。
    なので千明と表舞台に立つ昴の両方で共感できる部分があります。
    撮影現場はとても明るく、僕は劇中劇もあったので新しい体験をさせていただきました。
    千明と昴の物語が描かれながら、雑誌やドラマの撮影など、芸能界の裏側まで描かれているシーンもあるので、夢が詰まっている作品だと思います。ぜひ映画館で楽しんでいただきたいです。

  • 近藤こんどう はるな 役 / 田鍋梨々花

    松本監督とは初めてお会いしましたが、丁寧にアドバイスをくださって優しい方でした。撮影の待ち時間は共演者のみなさんとは本当の学生時代のような時間を過ごしました。
    この映画は恋愛だけではなく、友情も描かれているので、たくさん楽しめる要素がつまっていると思います。私が演じるはるなは千明の親友なのですが、とくにはるなが千明の背中を押してあげるシーンは、素敵なシーンになっていると思うので観ていただきたいです。

スタッフコメント

  • 原作者:餡蜜

    最初は私なんぞの妄想からできた物語にたくさんの人を巻き込んで大丈夫なのかと正直不安でしたが、漫画家として夢でもあったのでやっぱり素直に嬉しかったです。

    監督やプロデューサーさんたちと楽しく意見交換をし、そして映像が脳内再生されるほど原作の雰囲気を大切にしてくださった脚本が届き、めちゃくちゃ期待が膨らんでいます!

    スタッフの皆様、キャストの皆様の素晴らしい力が集まる『隣のステラ』は絶対素敵なものになるに違いないです!
    ぜひ楽しみにしていてください。

  • 岡田翔太プロデューサー

    とにかく”フレッシュで真っ直ぐなラブストーリー”を作りたい!

    そう思っていた時に『隣のステラ』という原作に出会い「まさにこれだ!!」とすぐに企画を始めました。もし、憧れの芸能人が自分の幼なじみだったら、、なんて誰しも一度は妄想してしまうような王道すぎるシチュエーションですよね!福本莉子さん&八木勇征さんという今最も旬なお二人を中心にこの作品を作っていける事が今からとても楽しみです。

    本作は制作チームもフレッシュに!という事で監督:松本花奈さん、脚本:川滿佐和子さんの20代クリエイターを筆頭に、エネルギッシュなスタッフ陣で挑みます。

    同世代の若手俳優&スタッフ陣が集まり、切磋琢磨しながら今まで見たことのないくらい王道で真っ直ぐキュンキュンできる作品に出来ればと思います!

    是非、原作を読んで予習しながら続報をお待ちくださいませ。

THEME SONG主題歌

FANTASTICS「いつも隣で」 (rhythm zone)

プロフィール

FANTASTICS 
2018年12月5日、シングル「OVER DRIVE」でデビュー。
2025年7月にはグループ最大規模となるさいたまスーパーアリーナ スタジアムモードでのライブ公演を3日間連続開催し、9月からは2度目のアリーナツアー「FANTASTICS LIVE TOUR 2025 “BUTTERFLY EFFECT” -FLY WITH YOU-」で全国8都市18公演をまわる。
音楽活動以外にも活躍の場を広げており、メンバー個々での俳優活動も本格化。
バラエティにも多数出演し、レシピ連載や情報番組のコメンテーターなど、個々の特技を活かした活動でエンタテインメントの多彩な分野で進化を続けている。

コメント

八木勇征(FANTASTICS)【柊木昴役】

柊木昴役として出演させていただいて、音楽でもこの作品に携わることができてとても光栄ですし、嬉しいです。バラード調の楽曲なので、ひとつひとつのフレーズを大切に仕上げようと思いレコーディングに臨みました。歌詞には「隣」という言葉が入っていて、『隣のステラ』とリンクする部分でもあり、とても気に入っています。
ぜひ主題歌「いつも隣で」と映画『隣のステラ』を劇場でお楽しみください!

ORIGINAL原作

©餡蜜/講談社

「隣のステラ」著者:餡蜜(講談社)

「別冊フレンド」にて連載中
コミックス1巻〜(以下続刊)好評発売中!

PRODUCTION NOTESプロダクションノート

  • 新しいラブコメへの挑戦LINK
  • 松本花奈監督を中心に
    若きクリエイターたちが集結LINK
  • 初共演の福本莉子&八木勇征が見せた
    予想以上の化学反応ケミストリーLINK
  • 役者とスタッフが一丸となる
    風通しのいい松本組LINK
  • 笑顔がはじけた温かなクランクアップLINK
  • 新しいラブコメへの挑戦

    これまで映画『東京リベンジャーズ』など、おおよそ少女漫画原作の映画化とは真逆のテイストの作品を手がけてきた岡田翔太プロデューサー(以下岡田P)が、『隣のステラ』と出会ったのはある若手女性編集者からの薦めだった。「もともと漠然とですが、『東京リベンジャーズ』の次はラブコメを作ってみたいという思いはありました。でもせっかくやるからには、何か新しいことを発明してお客様にお届けしたい。ラブコメは日本映画界において不動の人気ジャンルだと思うのですが、あえて“ラブコメ好きでない人”にも見てもらえる、新しいラブコメができないかなと模索していました」人気漫画家=餡蜜が描く『隣のステラ』は、そういう意味では王道の少女漫画。いつも元気でひたむきな主人公・千明は、いたって普通の女子高生。そんな彼女のいちばん近くにいた幼なじみの昴が芸能界に入ることにより、どんどん遠い存在に。でも幼い頃から密かに昴を想い続ける千明は、多忙な昴の世話をかいがいしく焼くなど、健気に彼を支え続ける。「一見普通の女の子に見える千明ですが、ずば抜けた明るさやポジティブな性格は実はあまり普通ではない。もちろんストーリー自体は王道のキュンキュンできる素敵な少女漫画なのですが、こういうタイプの作品をあえて若い監督、スタッフ陣で作ってみようというのが最初に感じた可能性です」

  • 松本花奈監督を中心に
    若きクリエイターたちが集結

    岡田Pの狙い通り、本作のメインスタッフはほぼ20~30代。映画『夜明けの若者たち』で一躍注目を集めた松本花奈監督は、現在27歳の新鋭である。以前より監督とはプライベートで親交があったという岡田Pだが「なんとなく松本さんはこういう少女漫画の映画化には関心が薄いのかと思っていた」という理由で、当初はオファーを躊躇していたという。しかし実は少女漫画好きで、実写化も是非やってみたいと思っていたという松本監督は、『隣のステラ』を一読しオファーを即快諾。かつて映画『今夜、世界からこの恋が消えても』で大先輩にあたる三木孝浩監督や、月川翔監督と脚本家としてタッグを組んだこともあった(*月川監督と脚本を共著)松本監督にとって、新たな挑戦となった。「これまで数々の恋愛映画の名作を手がけてきたお2人の監督から、松本さんが受けてきた影響は計り知れない。三木監督や月川監督の素晴らしい演出や手腕を継承しつつ、彼女の若い感性にしか出せない新しいものをプラスできないかと思ったんです。特に今回は高校生の恋愛物語。思春期の熱量のあるラブストーリーを、若いクリエイターを集結させて撮ったらどうなるのかなという興味も強くありました」脚本の川滿佐和子、撮影カメラマンの岩渕隆斗など今後の日本映画界を担っていくであろう若いパワーが集結。随所に差し込まれるエモーショナルなコラージュ、リアルとファンタジーを行き来するどこかノスタルジックな映像美など、従来のキラキラ映画とは一線を画す仕上がりはスタッフワークの賜物である。だが岡田Pが全スタッフに共有した想いは、「王道から逃げないでいきましょう」というものでもあった。「若いチームだと、どうしてもスタイリッシュでシャープなものを作る傾向がある。でもいくら映像表現としてスタイリッシュなものになっても、物語や登場人物たちの感情表現は王道にキュンキュンするものにしたかった。作り手側が変に照れてしまうのが一番よくないし、お客様はそういうものを見たいわけではないですよね。ラブストーリーを見に来るお客様を満足させられるように、そこは細心の注意を払って王道から逸れないものを皆で作りましょうというのは、最初に全スタッフに伝えました」

  • 初共演の福本莉子&八木勇征が見せた
    予想以上の化学反応ケミストリー

    一貫して「見たことのない恋愛映画」にこだわった岡田P。それは今回が初共演となる福本莉子、八木勇征というフレッシュなカップリングにも顕著だ。「福本さん、八木さんそれぞれはたくさんの作品に出演されているし、その中には王道の恋愛作品もありますが、お2人の組み合わせは見たことがないなと。お2人の化学反応も楽しみでしたが、結果的に予想以上でした」繊細で儚げなキャラクターを演じることも多い福本だが、実は人一倍パワフルでさっぱりした一面も。「これは誉め言葉として言いますが、福本さんはアスリートのようにストイックな方。この作品って物語自体は非常にシンプルなので、彼女くらいキャリアがある方ならそれほど深く考えずにやってくださるのかなと思っていたんです。でも福本さんは僕らの想像以上に台本を深いところまで読み込んできてくださって、千明の気持ちの解釈についてもたくさんディスカッションをしてくれた。それくらいこの作品に本気で賭けてくれているのが非常に嬉しかったし、ひとつひとつの作品に魂を込めて臨んでいる姿には感動しました。彼女が“やってよかった”と思えるものにしようと、僕も監督もより一層身が引き締まる瞬間でしたね」
    対する八木は「これも誉め言葉ですが、彼はいい意味で天然な人たらしです」と岡田P。「言うまでもなくものすごく整ったお顔をされているし、いわゆる国宝級イケメンじゃないですか。でもご本人にその意識が全くなく、ナルシスティックな面も一切ない。僕らにも普通に仲のいい友人のように気さくに接してくれるので、だんだん感覚がバグッてくるんです(笑)。昴は八木さんそのままという感じがしたし、もしかすると餡蜜先生は“八木さんのことを描いたのかな?”と思ってしまうくらいハマリ役でした。もちろん八木さんも役については深く考えてきてくださいましたし、それはとてもありがたかったです。本番の直前までお菓子をポリポリ食べている八木さんに、“ほら、本番始まるからいきましょ~”って声をかける福本さん(笑)。対照的ですが素晴らしい組み合わせの2人になったと思っています」
    2人を取り巻く共演者たちもフレッシュな布陣。松本監督と岡田Pがかねてより大ファンだったという倉悠貴は、熱烈な2人のラブコールに応える形で少女漫画の実写化に初出演。千明に想いを寄せる(?)バイト先の先輩・高橋雄大を好演している。「倉さんにこのタイプの作品でオファーができるタイミングは、今しかない!と思いました。これは偶然なのですが餡蜜先生からいただいたキャラ説明に“高橋は白目が多い人”と書いてあって。倉さんもお芝居をするときは黒目が小さくなるので、実はキャラクターの再現度がとても高いんです。高橋役には八木さんとは違うタイプのイケメンに出てもらいたかったし、高橋は千明が昴以外で心をシェアできる唯一の異性なので、圧倒的なお芝居の力も含めて倉さんに出ていただけて本当に感謝です」
    人気絶頂の若手女優・篠原葉月には横田真悠、長いキャリアを誇るイケメン俳優・新堂理生には西垣匠。「横田さんの日本人離れしたプロポーションと、華のある存在感。加えて一見柔和な雰囲気の中に、何かを抱えている……?と思わせる塩梅をうまく演じてくれると思いました。西垣さんは実際もお若いし王道のイケメンなんですが、“この業界長いぞ”と思わせるどっしりした安心感がありました」 千明の昴への想いを知る親友・近藤はるなには田鍋梨々花、同じく仲のいいクラスメイト・林翔太には田中偉登がキャスティング。実際福本を含めた3人は仲がよく、互いを「りこぴん(福本)」「りりあん(田鍋)」「たけちゃん(田中)と呼び合い、撮影合間は「お腹が痛くなるほど笑っていました」(福本)いうほどの関係性に。
    千明と昴を温かく見守る千明の母・千絵に清水美砂、父・光博に宮崎吐夢、昴の母・透子に紺野まひる、そして千明の年の離れたオマセな妹・千穂には天才子役として注目を集める泉谷星奈が揃い、恋愛要素だけでなく家族の絆もしっかりと描かれる。ちなみに泉谷の天使的なかわいらしさには、福本も八木も終始メロメロだった。
    また昴の所属する芸能事務所社長・小柳律子に野波麻帆、理解ある昴のマネージャー・棚瀬浩に浜野謙太というベテラン勢が出演するなか、原作通りはるなの“推し”としてある名優が本人役でピンポイント出演しているのも見逃せない。唯一登場する舞台挨拶のシーンでは、大勢のエキストラから八木に負けず劣らずの黄色い声援が飛び、会場を多いに沸かせていた。

  • 役者とスタッフが一丸となる
    風通しのいい松本組

    撮影は2025年1月中旬から、約1か月。関東近郊を中心にオールロケで行われた。序盤は高校生のラブストーリーらしく、高校での撮影が中心。真冬の撮影ではあったが、福本の制服のスカート丈はやや短めで、そこからのぞく足は素足! だが寒さをものともせず、常に笑顔で現場を盛り上げる。初日からすっかり福本と打ち解けた様子の八木は、すらりとした長身で制服姿も異次元のスタイルの良さを発揮。餡蜜のリクエストで決まったという茶色のブレザーが、八木の色白な肌によく似合っている。昴に群がるクラスメイトたちを巻くように猛ダッシュする2人のシーンでは、まさかの本気のかけっこバトルも勃発!? 予想以上の俊足ぶりをみせる福本には皆が驚かされ、八木も思わず「負けました!なんで俺より足が速いの!?」と降参。「よしっ!」とかわいくガッツポーズをとる福本だったが、2人とも何回走っても笑顔が絶えることはない。監督がこだわったカットのひとつが、タイトルバックにもなる“揺れるカーテン”のシーンだったが、ここはスタッフと役者の連携プレイがあってこそ。パステル調の柔らかな照明と、外からカーテンを揺らす巨大扇風機の絶妙な風量。楽し気に千明の手を引きながら走る昴と、少し戸惑いながらも嬉しそうに昴について走る千明をハイスピードで撮影していくカメラワーク。映画全体のトーンを決める非常に重要なカットになるため、監督も入念にリテイクを繰り返す。監督と福本&八木、そして各部署のスタッフが顔を寄せ合い真剣に話し合う姿は、このシーンに限らず他の日でも多く見られ、文字通り“全員でひとつの作品を作っていく”ことを体現する現場がそこにはあった。福本と八木も監督の欲しい画を再現するための努力はいとわず、スタッフと役者が同じ目線で積極的に意見交換をする松本組。この風通しの良さは、若いチームだったからこそ成立したものなのかもしれない。
    ロケ先は千明のバイト先のハンバーガーショップ、千明と昴の暮らす隣同士の家、昴のSNS用の写真を千明が携帯で撮る海辺、昴が雑誌撮影をするスタジオ、劇中ドラマ「ビター・スイート・ダーリン」(通称:ビタスイ)のロケ現場、そして千明と昴だけが知る“秘密の場所”など多岐に渡った。福本と八木が「特に印象に残っているロケ地」として挙げていたのは、関東近郊の海辺での撮影。冬の海は相当な寒さではあったが、時に台本にない自然なアドリブ芝居で言葉を交わしながらじゃれ合うように写真を撮り合う2人。千明にしか撮れない昴のナチュラルな表情が、スクリーンにもしっかりと映し出されている。福本は実際に手持ちの携帯で八木や海辺の風景などを多数撮影しており、もしかすると本編でも福本が撮った写真が見られる可能性も!?
    また松本節が最もさく裂したのは、千明の部屋でのいわゆる“壁ドン”(*正確には“ドアドン”)カット。少女漫画原作にはマストとも言えるべきキュンシーンだが、監督は千明を引き留める昴の所作からカットを割らず流れるように撮る“一連”を選択。突然やって来る不意打ちの“壁ドン”は、観客の心をいろいろな意味でドキッとさせ、王道胸キュンと絶妙なリアリティを共存させてくれる。

  • 笑顔がはじけた温かなクランクアップ

    2月中旬についに迎えたクランクアップ。主演の2人にとっては厳しい寒さもあいまってハードなスケジュールではあったが、疲れた顔を一切見せない2人の座長のおかげでスタッフの士気が最後まで下がることはなかった。最終日は昼夜逆転のナイターロケ&寒風吹きすさぶ小高い丘の上というハードな環境下ではあったが、やはり福本と八木は最後まで元気いっぱい。撮影合間もハイテンションで走り回ったり、笑い合ったりする姿は昔から共に過ごしてきた幼なじみの説得力に満ちている。だが最後の最後で八木には涙を流すシーンも用意されており、いつも以上の集中力が求められた。「もう少し希望がある感じが見えた方がいいかも。涙、もう少し抑えめにできますか」という監督の冷静なジャッジに、「分かりました!」と即対応する八木。そんな八木の熱演を温かく受け止める福本の表情芝居も秀逸で、いつもより監督の「カット」がかかるまでの時間が長いようにも思えた。カット尻が長くなると必然的に自由演技で間を埋めることになるが、1か月共に千明と昴として生きてきた2人のやり取りはどこまでも自然。実は寒さで足が固まってしまった八木が、木に足をとられ転倒するというハプニングもあったが、それでも2人は芝居をアドリブで続行。周囲の心配をよそに楽しそうに夜空を眺めたり、「いたい~」「大丈夫?」など、ナチュラル過ぎるやり取りを続ける2人だったが、「カット」がかかった瞬間はじけるように大爆笑。幸い八木はどこにも怪我はなく、本気で気遣う福本にも笑顔で応えていた。時間と共に、全員の絆が強まっていくのが目に見えて分かった松本組。若き監督と共に最後までチームを引っ張った福本と八木の頼もしい座長ぶりは、しっかりとスクリーンに刻まれているはずだ。